映画『散歩する侵略者』

ちょっと前のだけど、長澤まさみさんと高橋一生さんが出演されてるdTVのCMが良すぎる。記事にもなっています。


オフィシャルのが見当たらなかったのでCM動画は貼ってないですが、YouTubeなんかで検索してもらえればすぐ観れます。
docomoのCMは評判良いのが多いです。例えば、こちらも高橋一生さんですが黒木華さんとのCMも素敵です。


CMは短い時間の中で伝えたいことを伝えないといけない。ディレクションなどの製作過程が重要であるとは思いますが、それ以上にやっぱり演じる役者の持つ「雰囲気」がより大切な気がします。
そう言った意味でこの二つのCMを観るとやっぱり「高橋一生」「長澤まさみ」「黒木華」が持つ役者としての「雰囲気」は眼を見張るものがあるなぁと感じます。

渋谷シネパレスにて映画『散歩する侵略者』観てきました。
【作品詳細】
カンヌ国際映画祭ある視点部門で監督賞を受賞した「岸辺の旅」の黒沢清監督が長澤まさみ、松田龍平、長谷川博己ら豪華キャストを迎え、劇作家・前川知大率いる劇団イキウメの人気舞台を映画化。数日にわたって行方がわからなくなっていた夫・真治が、まるで別人のように優しくなって帰ってきたことに戸惑う妻・鳴海。それ以来、真治は毎日どこかへ散歩に出かけるようになる。同じ頃、町で一家惨殺事件が発生し、不可解な現象が続発。取材を進めるジャーナリストの桜井は、ある事実に気づく。不穏な空気が町中を覆う中、鳴海は真治から「地球を侵略しに来た」という衝撃的な告白を受ける。長澤と松田が主人公の夫婦役で初共演し、長谷川がジャーナリスト役を演じる。
(本編/129分 2017年/日本 配給/松竹、日活)


衝撃的なシーンから始まります。気づかなかっただけですでに侵略は始まっている。ヒトの姿をした宇宙人が地球人から奪うものは「概念」。「概念」を奪われたヒトはどうなってしまうのか。
この設定、最高ですよね。地球を侵略しに来た宇宙人がまず奪うものが「概念」であり、多くの「概念」を集めて地球人というものを理解し、侵略の是非を決める。
数あるSF映画のような宇宙人が侵食してヒトを次々と殺すようなシーンはないけど、「概念」を奪われたヒトがどうなってしまうのかを見ると凄惨なシーンこそないのにそれ以上の恐ろしさを感じとってしまう。

ヒトは多くの「概念」の集合体である。信じるもの、疑うもの、好きなもの、嫌いなもの、大切なもの…全てに「概念」はある。“「概念」がある”もまた「概念」でもある。
もし、その「概念」が一つでも奪われてしまったらどうなるのか。そして、奪う側の侵略者の「概念」さえ変えてしまう「概念」があるとすればそれはなんなのか。
まるで哲学のような作品。何回も観て、原作も読み込んで、じっくり考えたい、考えるべき映画。

もう一つ、キャスティングが絶妙でした。侵略者である少年と少女を演じた高杉真宙さん、恒松祐里さん、素晴らしい。高杉さんの屈託のない表情の恐ろしさ、恒松さんの狂気じみた怪演、この若い二人と松田龍平さんの「THE・松田龍平」とも言える演技。この役は松田さん以外には考えられないと思います。
ジャーナリスト役の長谷川博己さんは『シン・ゴジラ』とはまったく違う立場のキャラクターでありながら、どこまでも“ヒトらしさ”が滲み出てて素晴らしかったです。

そして何と言っても宇宙人に取り憑かれ侵略者となった夫を支える妻、加瀬鳴海を演じた長澤まさみさん。もう凄いです。長澤まさみさんが観客の心を侵略してきます。素晴らしいです。あるシーンで言う、

「やんなっちゃうなぁ」

言われたい。
侵略されたい。
現在起きていることは何なのか、深刻なことなのか、そうでもないのか、この謎めいた現象に対して混乱する心情をこの台詞一つで表現されています。
長澤まさみさんのもつ役者としての素晴らしい「雰囲気」が惜しみなく演出されています。

他にも児嶋一哉さん、前田敦子さん、満島真之介さんなど、どのキャストの方もそれぞれ良い味を出し作品を盛り上げている。
ちょっと変わったSF映画、バジェットの少ない日本ならではのSF映画として今後の映画界に一石を投じた作品になっているように思います。


#散歩する侵略者


『後悔と反省の狭間で』

なんとなく思ったことを、ただなんとなく書いています。映画や舞台が好きなのでそのあたりの記事が多めになります。

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