映画『望郷』

SMAPが解散し、安室奈美恵が引退。かと思えばTHE YELLOW MONKEYが再結成されたり小沢健二が帰ってきたりと、青春時代に聴いていたJ-POPアーティストの「今」はそれぞれだ。
私が好きな秋元康さんの言葉で「歌謡曲は思い出の栞」と言うのがあるけど、J-POPもまさに「思い出の栞」であると思う。

「この曲を聴くとあの頃を思いだす」

よくあります。J-POPは世界と比べると音楽のレベルは劣るのかもしれない(私はそうは思わないけど)。現に「洋楽しか聴かない」って人も少なくないし。音楽のレベルとかはよくわからないけど、それでもやっぱりJ-POPにはJ-POPの良さがある。
子供の頃にテレビから流れてきたあの曲。
初めてのバイト先の有線から流れたあの曲。
上京して初めて歩いたセンター街で流れてたあの曲。
好き嫌いは別として、J-POPにはそれぞれの「思い出」のどこかにひっかかる力がある気がします。

新宿武蔵野館にて映画『望郷』観てきました。
【作品詳細】
人気作家・湊かなえの1つの島を舞台にした全6編から構成される短編集「望郷」から、「夢の国」「光の航路」の2編を貫地谷しほりと大東駿介の主演で映画化。しきたりを重んじる家庭に育ち、島で故郷に縛られる生活をしていた夢都子は、大人になり幸せな家庭を築いていた。そんな中、子どもの頃から自由の象徴として憧れていた本土にある「ドリームランド」が今年で閉園することを知り、彼女がずっと思い続けていたことを語り始める。一方、転任のため9年ぶりに本土から故郷の島へ帰ってきた航のもとに、1人の男性が訪ねてくる。教師をしていた父の教え子を名乗る畑野の話から、航は父の本当の姿を知ることとなる。「夢の国」パートの主人公・夢都子役を貫地谷、「光の航路」パートの主人公・航役を大東がそれぞれ演じる。監督は「ディアーディアー」「ハローグッバイ」の菊地健雄。
(本編/112分 2017年/日本 配給/エイベックス・デジタル)


心から思う。なんで上映館が少ないのだろうと。こんなに素晴らしい映画なのに。
本作の菊地健雄監督は心の奥底にある深い傷を演出するのがとても上手い監督だと思います。菊地監督作品として直近では『ハローグッバイ』とゆう映画がありました。

それぞれ悩みや秘密を抱える女子高生とひょんな事から知り合った認知症を患ったお婆さんとの物語。この映画を観た時、私はこう書きました。

当たり前だけど、社会は決して同じ人格の人同士だけで成り立っているわけではないし、同じ人格だから分かり合えるわけでもない。
誰もがそれぞれの立場で悩み、葛藤し、そして分かり合おうとするから世界は広くなる。
今いる場所、悩んでることが自分にとっては大きな問題でも、一歩外に出ればこんなにも世界は広いものなのだ。

ここでは「同じ人格だから分かり合えるわけでもない」と書いてますが、『望郷』でも似たようなことが言える。

「親子だから分かり合えるわけではない」

映画『望郷』が描いているのは、「ずっと見続けた故郷」と「過ぎ去りし故郷」を通して描く親子の物語。
人には誰しも「故郷」がある。そこには良い思い出も、嫌な思い出も。環境を変えたくて「故郷」を飛び出したとしても、本当の意味で変わることはない。なぜなら「故郷」とは場所ではなく、自身が体験してきた「思い出」のことでもあるから。
人生を振り返ってみれば、そこには必ず「故郷」があり、いつかは必ず向き合わなければいけない。

この映画は、「母」と「娘」、「父」と「息子」を通して本当の意味での「故郷」を考える作品。
どんなに嫌な「故郷」であったとしても、ちゃんと向き合うことができればそこにはきっと「希望」があるんだなと。
ハッキリ言って、泣きましたよ。号泣でした。貫地谷しほりさん、大東俊介さん、素晴らしかったです。
上映館が少ないのが残念ですがかなりオススメです。


『後悔と反省の狭間で』

なんとなく思ったことを、ただなんとなく書いています。映画や舞台が好きなのでそのあたりの記事が多めになります。

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