映画『三度目の殺人』

もう10月です。あっという間に年末です。早いものです。
昨年の今頃を映画で振り返ると、『君の名は。』や『シン・ゴジラ』が大ヒットし話題になっていて、10月末公開の『湯を沸かすほど熱い愛』、11月公開の『この世界の片隅に』が控えてる頃。
振り返れば昨年の日本映画の盛り上がりは凄まじいものがありました。『君の名は。』は現時点で興収約250億円の記録的大ヒット。『この世界の片隅に』はその公開規模からは考えられないぐらい異例の大ヒット、そして超ロングラン上映を記録した。まさに日本映画界の「何か」が変わった年でもありました。

本年度も後半に入り、そろそろ今年も日本アカデミー賞の話題が出始める頃。しかし、今年は昨年ほど話題になった映画がまだありません。言うても日本アカデミー賞の選考には不透明な部分が多く、賞としての価値と映画の評価が必ずしも一致するものではないのは承知の事実。
それでも私は日本アカデミー賞が楽しみで、毎年いろんな業界の「忖度」を考慮しつつ予想するのが大好きです。

昨年の時点で私は「来年のアカデミー賞最優秀作品賞又は最優秀主演男優賞は決まっている」といろんな人に言いました。必ず『無限の住人』が最優秀作品を獲るか、獲らなければ木村拓哉さんが最優秀主演男優賞を獲ると。
これまで賞レースに参加してこなかったジャニーズ事務所が日本アカデミー賞に参加し始め、最優秀主演男優賞を岡田准一さん、二宮和也さんが受賞しています。そしてここにきてジャニーズ大本命「キムタク」の登場です。
ただ、岡田准一さん、二宮和也さんと二年連続でジャニーズ事務所が獲っています。第40回日本アカデミー賞でも岡田准一さんの受賞が一部で予想され「ジャニーズ三連覇か」なんて言われたりしてましたけど私はそれは「絶対にない」と思っていました。なぜなら第41回日本アカデミー賞に木村拓哉さんが控えていたからです。
第40回で岡田准一さんが獲ると「ジャニーズ四連覇」の可能性が出てきます。さすがにそれはない。木村拓哉さんに最優秀主演男優賞を“自然な空気で”獲らせるためには間をあける必要がある。だから岡田准一さんの受賞はないと思ったわけです。これが「忖度」です。(まぁ、『海賊と呼ばれた男』が受賞に値する作品ではなかったってことが一番の理由ですが。)

そんな業界の「忖度」を考慮すれば第41回日本アカデミー賞は『無限の住人』、そして木村拓哉さんでほぼ決まりだと思っていたのですが、ここで問題が出てきました。『無限の住人』が“そうでもない”映画だったのです。興収的にも話題的にもそれほど盛り上がることなく、例え製作陣に安倍首相がいたとしても「忖度」できないレベル。
こうなると今年の日本アカデミー賞がどうなるか…来ました。いろいろな業界の「忖度」を考慮しても第41回日本アカデミー賞最優秀作品賞に選ばれそうな最有力作品がここに来て公開されました。『三度目の殺人』です。

TOHOシネマズ渋谷にて映画『三度目の殺人』観てきました。
【作品詳細】
「そして父になる」の是枝裕和監督と福山雅治が再タッグを組み、是枝監督のオリジナル脚本で描いた法廷心理ドラマ。勝つことにこだわる弁護士・重盛は、殺人の前科がある男・三隅の弁護を仕方なく担当することに。解雇された工場の社長を殺害して死体に火をつけた容疑で起訴されている三隅は犯行を自供しており、このままだと死刑は免れない。しかし三隅の動機はいまいち釈然とせず、重盛は面会を重ねるたびに、本当に彼が殺したのか確信が持てなくなっていく。是枝監督作には初参加となる役所広司が殺人犯・三隅役で福山と初共演を果たし、「海街diary」の広瀬すずが物語の鍵を握る被害者の娘役を演じる。
(本編/124分 2017年/日本 配給/東宝、ギャガ)


福山雅治さん、役所広司さん、広瀬すずさん、これ以上ない完璧な布陣。さらに監督は『そして父になる』で福山雅治さんと組んだ是枝裕和監督。とりあえず映画の内容関係なく先に言いたいのは、第41回日本アカデミー賞最優秀作品賞は『三度目の殺人』で決まりだと思います。「忖度」込みです。更に選ばれた場合のツッコミどころも少ないです。今年はまだ控えてる大型作品ありますが、残りは「忖度」の末に落選しそうな気がします。恐らく決まりでしょう。
「忖度」を踏まえた上で最優秀作品賞に選ばれるだろうと書きましたが、映画自体もかなり素晴らしい作品だと思います。言ってしまえば妥当でもあるのですが。

殺人の前科がある三隅(役所広司)が再び殺人事件を犯す。三隅の弁護を担当することになった弁護士の重盛(福山雅治)は度々変わる三隅の供述や、被害者の娘(広瀬すず)の証言に「真実」がどこにあるのかわからなくなる。

この映画はこれ以上は全てネタバレになる。ただ、ネタバレと言えるような答えが無い映画とも言えます。観た人がそれぞれ自分の中での答えを探す映画。
三隅が犯した「三度目」の殺人とは。そして「人を殺す」と言うことに“正義”はあるのか。
善悪で分けられるものでもなく、どこに「真実」があって、どこに“正義”があるのかはその人の目線による。
実際に起きた殺人事件にもメディアから伝わる事情とは異なるものが多いのだと思う。映画『三度目の殺人』は、三隅が犯した「三度目」の殺人とは何なのかを通して、作られた情報に流されない「真実」を見ることの大切は感じさせられた映画。

たぶん、第41回日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝くので今のうちに観といてください。
たぶんですけどね。

『後悔と反省の狭間で』

なんとなく思ったことを、ただなんとなく書いています。映画や舞台が好きなのでそのあたりの記事が多めになります。

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