映画『エルネスト』

9月末まで半年間『ひよっこ』を観ていたせいか、同じ時代背景の作品を観ると「みね子たちと同じ頃の話かぁ」と、“ひよっこ時代”と合わせて考えながら観てしまう。
この時代はみね子(『ひよっこ』での有村架純さんの役名)にとっても激動の時代だったけど、1960年代の世界を見ると、ベトナム戦争、キューバ危機、米ケネディ大統領暗殺、フランスと中華人民共和国が初の核実験、キング牧師暗殺など、東西冷戦状態にあった世界はいつ何が起きてもおかしくない激動の時代でした。

日本は1945年の終戦後、憲法9条と日米安保の基、これら世界の激動には直接は関わらず高度経済成長を謳歌していたわけだが、時を同じくして遠い海の向こうで一人の日系人が「革命」のために戦っていたことを知りました。
TOHOシネマズ新宿にて映画『エルネスト』観てきました。
【作品詳細】
キューバ革命の英雄チェ・ゲバラと共闘した日系人の生涯を、オダギリジョー主演、阪本順治監督で描いた日本とキューバの合作映画。フィデル・カストロらとともにキューバ革命を成功させ、1967年にボリビア戦線で命を落としたエルネスト・チェ・ゲバラ。医者を志してキューバの国立ハバナ大学へ留学した日系2世のフレディ前村ウルタードは、キューバ危機の状況下でゲバラと出会い、彼の魅力に心酔した前村はゲバラの部隊に参加し、ボリビアでゲバラとともに行動する。ゲバラからファーストネームである「エルネスト」を戦士名として授けられた前村は、ボリビア軍事政権へと立ち向かっていく。オダギリが主人公の前村を演じ、日本からは永山絢斗が記者役で出演。
(本編/124分 2017年/日本、キューバ 配給/キノフィルムズ)


今ではファッションとしての“アイコン”となっているチェ・ゲバラ。ゲバラは1967年にボリビア戦線で命を落とす8年前、キューバ革命達成の翌年の1959年に広島を訪れていた。当初の予定を変更してまでキューバ革命の英雄が訪れた広島。目的は原爆資料館と原爆病院、そして原爆死没者慰霊碑への献花だった。

「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」


ゲバラは慰霊碑に書かれたこの“主語の無い”碑文に疑問を抱く。誰が誰に言っているのか、冷戦の最前線で戦っている者が抱いた思いとは。
この映画の物語はここから始まります。

これは史実を基にした映画です。日本は高度経済成長真っ只中。東京オリンピックが開催された頃の話です。
同じ頃、日本人の父を持つフレディ・前村・ウルタードは祖国ボリビアのためにハバナへ留学し、立派な医師になることを志すが、祖国の窮状を知り革命の使徒となることを決意する。全ては祖国の為に。

日本が行った先の戦争が正しかったとは一切思わないけど、日本にも祖国の為に戦った人たちが多くいたはずです。いつの時代も、どの国でも、「祖国の為」に命を賭してまで戦う人たちがいる。
方や平和を謳歌し、方や人生を捨ててまで戦う。全ての戦争は必ず多面的な見方をしなければ再び過ちを繰り返すことになるのだが、一方的な見方で「正義を押し付け」続けているために今でも戦争は無くならない。

エルネスト・チェ・ゲバラから「エルネスト」とゆう名前をもらったフレディ。決して有名ではないかもしれないけど、その半生を見れば歴史に名を刻むべき“もう一人のチェ・ゲバラ”である。
二人のエルネストの生涯と、この映画の時代を『ひよっこ』と同時代だと思って観ればより深く考えることがあると思います。

最後にもう一つ、全ての台詞をスペイン語で話すオダギリジョーさんに驚きますよ。物凄い役者魂を感じます。





『後悔と反省の狭間で』

なんとなく思ったことを、ただなんとなく書いています。映画や舞台が好きなのでそのあたりの記事が多めになります。

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