舞台『近松心中物語』

新国立劇場にて舞台『近松心中物語』観劇しました。
【作品詳細】
秋元松代原作、蜷川幸雄演出『近松心中物語』と言えば、1979年の初演以来、上演の度に話題を呼んできた「現代演劇の伝説」です。しかし、蜷川氏自身は「現代の古典」として様式化されることを潔しとせず、その後、自身の手ですべてを一新した新演出で上演するなど、この作品に傾けた情熱が衰えることは終生ありませんでした。
常に冒険的な創作に挑み、疾走し続けた蜷川幸雄氏。そんな蜷川氏が口にされた「いのうえの近松が見たい・・・」という言葉を胸に、劇団☆新感線の”いのうえひでのり”が新たな演出で、秋元松代原作の世界に挑みます。演劇への真摯な姿勢はもちろん、その挑戦し続けた蜷川氏の情熱のバトンを胸に、いのうえひでのり演出の下、カンパニー総力で、新たな近松の世界の扉を開こうとしています。
(上演時間/約2時間30分 ※休憩15分あり)

故蜷川幸雄演出の代表的な戯曲の再演。生前の蜷川幸雄氏にシス・カンパニーが再演の許可を取っていたとゆう噂を聞きました。
本作ではいのうえひでのりさんが演出、キャストには堤真一さん、宮沢りえさん、池田成志さん、小池栄子さんなど、伝説の作品を再演する上でこの上ない布陣です。

物語を公式サイトより引用します。
時は元禄。大坂新町と言えば、一夜の快楽を追い求める男たちが集まる廓街ー
そこに、小道具商傘屋の婿養子・与兵衛(池田成志)が、折り合いの悪い姑お今(銀粉蝶)に追い出され、ある廓に身を沈めていた。もともと気弱で、うだつのあがらない亭主だが、女房のお亀(小池栄子)にとっては、所帯をもってもなお、恋い焦がれる相手。行方知らずのダメ亭主を案じ悲しむ娘をみかねて、姑お今が自ら与兵衛を連れ戻しに新町にやってくる。
「二度とこの男を廓に近づけないでくれ」と周囲に念押ししながら、連れ戻される与兵衛。そんな与兵衛とは対照的に、廓に縁のなかった飛脚屋亀屋の養子忠兵衛(堤真一)は、店の丁稚が拾った封書に一分の金が入っていたため、親切心から、その差出人の槌屋平三郎(小野武彦)を訪ねて新町に足を踏み入れてしまう。そこで偶然出会った飛脚仲間の八右衛門(市川猿弥) の強い誘いも振り切り、店を立ち去ろうとする忠兵衛。だがその時、店には、出先から戻って来た遊女・梅川(宮沢りえ)が…!
何かに打たれたように、立ちすくみ無言で見つめ合う二人…。
その瞬間から、忠兵衛は憑りつかれたように梅川を追い求め、店の中へと消えて行く。
ある日、幼馴染の与兵衛のもとに、忠兵衛がやってくる。愛する梅川の見請け話が持ち上がっていて、養子の自分には自由になる金もなく、与兵衛に手付の金だけでも貸してくれと泣きついてきたのだった。
同情した与兵衛は、なんと店の金箪笥をこじ開けて、そこにあった大金を忠兵衛に渡してしまう。喜びいさんで新町に戻り、手付金を支払い安堵する忠兵衛と梅川だったが、運命は二人には微笑まず、更なる難題が…。そして、店の大金に手を付けたことで家を出た与兵衛と、それでも夫を慕い追いかける妻・お亀。
<忠兵衛・梅川><与兵衛・お亀>の崖っぷちの男女二組の運命は…?
あてのない逃避行へと向かう二組の男女の情念の行く末は…?


本作の『近松心中物語』は一幕64分、15分の休憩を挟んで二幕68分の二幕構成。
正直、一幕は個人的にはちょっと「う〜ん…」となってしまった。
本作はメインキャスト以外にもかなり多くの役者が出演しています。彼ら(彼女ら)は町民の役を演じつつ大掛かりな舞台のセットを動かしたりする役。
街中のシーンではその多くの役者が常に舞台上を行き交うので街の“雑踏感”としては理解できるものの、その“雑踏感”ゆえに台詞がとても聞き取りにくかったんですよね。もしかしたら私の聴力の問題なのかもしれないけど、演劇において台詞が聞き取りにくいのはけっこうな致命的だと思っているのでそこは残念でした。

ただ、二幕ですよ。
忠兵衛と梅川、与兵衛とお亀、二組の男と女がその“終わり”に向かっていく物語。
もうね、素晴らしかったです。一幕の「うーん…」となった部分を吹き飛ばされました。近松門左衛門から蜷川幸雄、いのうえひでのり、そしてこれからも繋がっていくであろうと思わされた。

堤真一さんと宮沢りえさんは男女の悲哀を情緒的に演じ、池田成志さんと小池栄子さんは男女の悲哀を笑いも交え情熱的に演じる。
二組の男女。その行き着いた先にあったのは「死ねた幸せと生きた苦しみ」。
お見事でした。

手前には静かな雪、奥には賑やかな町人たち。特に最後のこの演出は素晴らしかったです。




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『後悔と反省の狭間で』

なんとなく思ったことを、ただなんとなく書いています。映画や舞台が好きなのでそのあたりの記事が多めになります。

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